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アニメの話がしたいジャないか

アニメの話をガッツリできる友達がいないのでここにこっそりと書き込んでいきます。

「たつき監督を信じろ」の秘密

特に秘密というものはありませんが、最終回直前の謎の盛り上がり「たつき監督を信じろ」という言葉についてネット情報の波にのまれる前に備忘録として残しておきます。

 

 「けものフレンズ」のSNSでの雰囲気の変化

 

2017冬期は「けものフレンズ」という作品はネットやSMSによってかなりの人気を得ました。

何故ここまで人気になったのか?、この物語に含まれる謎は?

というのは他の評論家や考察班に任せるとして、ここでは第10回目くらいからぼんやりと形成されていたネット上のざわめきや、空気感についてを書き残している人が少なかったので書いていきます。

 

元々「けものフレンズ」は1話の時点で全く見向きもされなかったアニメでした。

2017年冬は新作だけで45本もあり、視聴者としては出来るだけ数を減らさなければいけない状況てす。

そんな中でフル3DCGのけもの好きな人向けというかなりマイナーなジャンルは即1話切りの対象です。

 

私自身も初見ではどうしてこれが五分アニメではないのかと驚いた記憶があります。

 

その風潮が変わってきたのが3話、4話です。

 

この頃になると段々と世界観についての背景が見えてきます。

この時点になってやっと、それまで見続けてきた人がこれは面白いぞとネットやSNSで声を上げ始めます。

 

そして興味のある者はみんなフレンズになった9話10話頃、そろそろ最終回に向かって話の風呂敷をたたみ始めなければいけないという頃、作品内ではこれまでに増して不穏な雰囲気を出し始めました。

 

その嫌な雰囲気を察知してネット上では「あれ?もしかしてこの物語は鬱エンドもあり得る?」と思い始めます。

 

そうです。「たつき監督を信じろ」という言葉は結局のところ、監督の類まれなる監督のバランス感覚の持ち主である証拠だと考えます。

 

けものフレンズ」の魅力

 

ここで改めて「けものフレンズ」の魅力の話になりますが、メインストーリーであるカバンとサーバルのロードムービーを通して優しい世界に浸るという、何も考えずに楽しめるという側面と背後に見え隠れするディストピアな雰囲気から考察できる余地があるという側面で成り立っています。

 

魅力①「優しい世界」

 

一つ目の魅力であるメインストーリーですが、かなりシンプルかつ正統派な物語です。主人公であるカバンちゃんの成長ストーリーであり、自分自身を見つけ出す過程で様々な人と関わるロードムービーです。このメインストーリーの中のキャラたちのやり取りで人をほんわかさせます。「優しい世界」です。

 

この世界観を構築させるための要素としてもちろん動物を擬人化させて純粋に(頭悪く)させています。

さらにもう一つ重要な要素としてはキャラクター造形でしょう。「けものフレンズ」はマルチメディアで展開しているプロジェクトです。ただ、このプロジェクトは他の物とは違うところが決定的に異なる部分があり、全てのメディアでキャラクター造形が変わっているという部分が特徴的です。

具体的に見てみましょう。

アプリ版は2.5頭身の完全ディフォルメキャラ、漫画版はそれと比べるとかなり大人びた6~7頭身です。

一方アニメ版では4頭身ほどのどちらともつかない幼児体系の様なキャラになっています。さらに顔つきは目が大きく、鼻が無い全体的にのっぺりとした印象になっています。

アニメではフル3DCGなので変にリアルにするよりのっぺりとした方が気持ち悪さが無いということもあるでしょうが、やはりこれも戦略の一つではないかと思います。

このキャラ造形の表情がシンプルな感情を表すのに適しているのではないでしょうか。

 

さて、このキャラの顔、どこかで見覚えがあります。

幼児の様な、普段の生活の中で凄さを見つける天才、行動を見てて飽きない、

これってよつばとに似てますよね。

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けものフレンズ」は幼児達のワイワイ遊んでいるのをほほえましく見たり、冒険するのを見てハラハラしてみたり、カバンちゃんの成長に感動してみたりと「はじめてのおつかい」的な話の魅力というものがあります。

疲れた生活に、深夜ぼんやりと見れるアニメは思っている以上に癒されます。

 

魅力②不穏な雰囲気

 

二つ目の魅力として、そこかしこに不穏な雰囲気が散りばめられています。

EDの廃墟になった遊園地や話の途中ふいに出てくる人類は滅びた的なセリフやフレンズの現れ方がさらっと入ってきます。

このさらっとした伏線の入れ具合のタイミングが絶妙です。

一例になりますが、明かされた謎の一つにカバンちゃんは髪の毛から出来たヒトのフレンズということが分かりました。

この伏線として途中途中に何度もセリフこの世界はヒトが滅びた後の世界だということが示唆されてきましたが、私が気になっていたのは一話の高い崖を降りるですでに伏線が張られていたことです。

サーバルちゃんより体力の劣るカバンちゃんが3メートル程の崖から滑り落ち、これは怪我でもしたんじゃないか?と思った時、キラキラとサンドストーンのパワーが出ていて怪我も無く服が擦り切れた様子もありませんでした。

まだまだ世界の秘密が明かされていなかった一話の時点で私としては、コレは世界観としてサンドストーンで登場人物全てが守られていたのか?、それともこのカバンちゃんがサンドストーンのパワーに守られているのか?と疑問に思いましたが12話や12.1話などを見る限りフレンズはサンドスターのパワーを使えることが分かります。

ここからカバンちゃんはヒトのフレンズだった伏線になっていたのだと分かります。「けものフレンズ」は世界観や設定がしっかりしていることに気づきました。

 

単に優しい世界の幼稚園を見ているだけでなく、不穏な雰囲気を散りばめるようにして伏線を入れているこのバランス、これが素晴らしかったのだと思います。

 

結論

 

特に12話のシリアスとコメディのバランス、前半の真剣な戦いやラッキービーストの自己犠牲、後半のラッキーを見つけて思わず投げてしまうサーバルの行動やみんなで打ち上げしている光景。どちらか一方に偏らずシンプルなメインストーリーはしっかり完結させつつも謎を考察できるという素晴らしいバランスが保てています。

けものフレンズ」という作品はもちろんこれまでの「マドマギ」の経験(前に書いた記事参照)も下地になっていますが、この監督のバランス感覚によって私たちは最終回まで悲しい話になるかもしれないし、ハッピーエンドで終わるかもしれないというどうなるのか分からないハラハラ、ワクワクさを持たせ続けることに成功しています。

 

繰り返しになりますが「たつき監督を信じろ」とはたつき監督のすさまじいバランス感覚によって生み出され、最終回を見て安心した視聴者が使わなくなり消えて行った言葉だったのです。

 

たつき監督を信じろ」という言葉を後から知って何のことか分からない方はリアルタイムで見ていた方に聞いてみましょう。

そして過去のたくさんの名作と言われるアニメだけを見るのではなくてリアルタイムのアニメを見る楽しみもあるのではないでしょうか。

今の時代はリアルタイムでアニメを見て、SNSなどから分かる雰囲気までも楽しむのが最もアニメを楽しめる時期に来ているのかもしれません。